リードを交替せずに登る場合のビレイ点のセット

logo_petzl

冬のクライミングでは、ロープの操作次第で大事な時間をかせぐこともできれば失うこともあります。リードを交替せずに登る場合は、1人がクライミングを担当することになり、体力的な負担は大きくなります。このスタイルの良い点は、リズムをくずさずに登ることができ、また体が冷えるビレイ点での待ち時間も減らせることです。登り始める前に重要なのは、合図や掛け声のルールを確認し、ロープがスムーズに流れるよう準備し、パートナーチェックを行うことです。

1. ビレイ点の構築

リードクライマーは、ピッチの終了点に着いたらまずスクリューを1本セットして自己確保をとります。スリングにオーバーハンドノットでビレイ点を構築します。スリングのループを分けることにより、自己確保とセカンドのビレイを独立させることができます。ここからセカンドのビレイを始めることができます。
たぐったロープは自分の足の上もしくは身体の前にきれいにまとめます。氷や岩にひっかからないよう、ループを大きくしすぎないように注意してください。

2. セカンドクライマーがビレイ点に到着

セカンドクライマーがビレイ点に到着したら、リードクライマーは『ルベルソ4』の下に結び目をつくり、セカンドの確保をとります。その後セカンドは自分で自己確保をとります。

3. リードクライマーが登り始める前に

セカンドクライマーはビレイデバイスをセットします。

リードクライマーがスクリューやクイックドローをラッキングしている間に、セカンドクライマーはロープを自分の足の上にまとめ、スムーズに繰り出せるように準備します。

 

4. 登り始めるとき

墜落時にアンカーにかかる荷重を抑えるため、リードクライマーはビレイ点のすぐ上にスクリューを1本セットします。こうすれば、落下率2の墜落をすることはありません。リードクライマーがビレイ点の位置からプロテクションをセットすることができない場合は、ビレイ点のアンカーをディレクショナルアンカーにします。墜落した場合の衝撃を抑えるため、ビレイヤーはディレクショナルアンカーよりも低い位置にいなければなりません。

 

注意: こちらに掲載した内容はすべてを網羅するものではありません。取扱説明書、テクニカルマニュアルもご参照ください。技術的なトレーニングも必ず行ってください。