氷瀑の研究

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警告

  • 以下の補足情報を読む前に取扱説明書をよく読んでください
  • ここで紹介する技術を使用する前に、取扱説明書の内容を十分に理解する必要があります
  • これらの技術を身に付けるためには、トレーニングが必要です
  • これらの技術を自身で実践する前に、使用方法を熟知していて責任能力のある人に相談してください

 
様々な天候の条件によって氷はどのように変化するのでしょうか?感覚的には、気温が低いことが氷瀑を形成する上での良い条件であると思われます。ただし現実はそんなに単純なものなのでしょうか?クライマーが観察していることを、科学的な調査と結びつけるにはどうすればよいでしょうか?ペツル財団のサポートを受けて「Laboratoire de Glaciologie et Geophysique de l’Environnement de Grenoble」が行った研究が、その答えの一部を明かします。

ゆっくりと時間をかけて形成された氷瀑(特に垂直なもの)は、突然崩れることがあります。
気温の変化は、氷の内部に大きなストレスを生みます。このストレスが大きくなると氷が突然割れてしまうほどの力になります。
実際に、氷は暖められると膨張し、冷やされると収縮します。ゆっくりと冷やされた場合、氷は圧力に適応してプラスチックのように変形します。これは「延性が高い」状態です。反対に急速に冷やされた氷では、圧力によって割れ目ができたり、アックスの打ち込みによる割れ目が大きく広がることがあります。このような氷はもろい状態にあると言えます。
氷柱内に圧力計を設置して得たデータを分析し、気温の急激な変化と氷内部の圧力の上昇には関連があることが分かりました。
クライミングの数日前からの気温の変化を調べることが、クライマーが氷の状態を知る上での鍵となります。

0℃前後の安定した気温が続く(日中はあまり気温が上がらず、夜間の冷え込みも弱い)

氷は「延性が高い」状態になります。良い状態にあると言えます。このような状態の氷は「シャーベット」と呼ばれます。