氷河の上を歩く際の大きなリスクの一つはクレバスに落ちることです。必ずホーリングの技術を理解し、そのための器具を携行しなければなりません。パートナーがクレバスに落ちたときには、自らが引きずり込まれることなく墜落を止めなければなりません。パーティーの人数が2人であれば、上で支えるクライマーは1人です。もしもの時に助かる可能性をできるだけ高くするため、出発前に準備を万端にすることが重要です。
クライマー間の距離
クライマーはそれぞれロープの末端にタイインします。クライマー間の距離は肩に巻くロープで調節します。クレバスに落ちる危険が高いほど、クライマー間の距離は長くとるべきです。どちらのクライマーもホーリングシステムをセットするために十分な長さのロープを肩に巻いておく必要があります。
軟らかい雪の上でフリクションを上げるための結び目
ロープに 2 m 間隔で結び目をつくります(バタフライノット等)。雪の上やクレバスの縁で結び目によって摩擦が大きくなり、墜落にブレーキがかかります。
注意: ロープに結び目をつくると、墜落を止めた後のホーリングシステムのセットが複雑になります。
2つのオプション:
- 解決策1: 結び目をつくったままでホーリングシステムをセットする(「クレバスレスキュー:結び目のあるロープでのホーリング」のページ をご覧ください)
- 解決索2: 墜落したクライマー側に下ろしてホーリングシステムをセットするための余分な(結び目のない)ロープを十分な長さ用意する。(例:50 ~ 60 m のロープを2本つなげて使用する)
ロープがたるまないように注意
ロープにたるみができないようにするため、パートナー同士で息を合わせて行動します。ロープをまとめて手に持たないようにします。ロープにたるみがあると墜落のスピードが速くなり、パートナーが一緒にクレバスに引きずり込まれてしまうリスクが高くなります。
注意: こちらに掲載した内容はすべてを網羅するものではありません。取扱説明書、テクニカルマニュアルもご参照ください。技術的なトレーニングも必ず行ってください。