ウルトラトレイル:クレア・ギャラガーの考察

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正直なところ、この記事を読んだところで UTMB を走る準備が整う訳ではありません。でも、あなたの夢がウルトラトレイルを走ることであれば、それが実現可能な夢であることを知るべきです。マラソンの距離を超えるトレイルランニングレースに向けて、どのような準備をするべきか、ペツルチームのメンバーであるクレア・ギャラガー (2017 年 CCC 優勝) から話を聞きました。

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クレア・ギャラガー 26才、ボルダー市在住

「ウルトラトレイル」では山の中でマラソンを4回走ります。そのためには、6ヵ月から2年の準備期間が必要になるので、すぐに取り掛かりましょう。誰もがクレア・ギャラガーと同じではありません。クレアは 2017 年にシャモニで自身初となる UTMB レース・CCC に参戦する前、2014 年にタイでいくつかの長距離レースに出場し、アメリカを代表するウルトラレースの1つである Leadville 100 で優勝しました (UTMBには4つの異なるレースがあり、平均完走タイムが 10.5 時間の OCC、22時間の CCC、40 時間の UTMB、136 時間の PTL があります)。現在 26 才の若いボルダー市民は、環境問題専門家としての仕事が許す限り、長く走り続けたいと考えています。

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ウルトラトレイル・デュ・モンブラン

クレアは最初の UTMB での経験を次のように回想します。「UTMB はウルトラトレイルの中で世界一の規模を誇るレースです。エリートランナーたちが、モンブラン周辺の3ヵ国、フランス、イタリア、スイスに集結します。距離約 170 km、累計標高差 10,000 m の丘陵地帯を走ります。CCC で私が最も驚かされたのは、ランナーの数です。このアルプスのレースは、世界中から数千人のランナーを惹きつけているのです。サポートしてくれる一般の方々あってのことです。12 時間におよぶレースを終えてシャモニに到着した時の経験は素晴らしいものでした。地球に帰還する前に、別の惑星を旅してきたような錯覚を覚えたくらいです。レース終盤の数キロは、誰かに抜かれるんじゃないかと神経質になりましたが、全てがうまくいきました」

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トレーニング

「ウルトラに向けてのトレーニングを甘く見てはいけません。トレイルのための心拍トレーニングは大変で、最大心拍数の 80% で走ります。これは1時間維持するのが限界のペースです」クレアは続けます。「通常ペースでのトレーニングとスピードトレーニングを一週間に2度行い、その合間に35 km の長距離走も行います。バックパックに慣れるため、レースで使用するのと同じものを、これらのトレーニングでも背負っています。さらに、明確な目的を設けず、バックパックや場合によっては腕時計もつけない『フリーラン』もします。『リアクティック プラス』を使ったナイトランニングもよく行います。ナイトランニングでは、トレイルもいつもと違って見えますし、疲労に対してより注意深くなり、異なる環境に慣れていく感覚があります。私はいつも一週間あたり 80 ~ 120 キロ程度走っています。さらに、目標が UTMB の場合は、標高の高い場所で行う必要もあります」

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レースを走るためのコツ

クレアにとって、トレーニングにはただ走る以上の意味があります。彼女は他にも水泳、マウンテンバイク、クライミングにも時間を費やします。しかし、彼女がトレーニングで大事にしているあと2つの側面は、なによりも精神的な準備とリカバリーです。「レースの前に、私はレースで起こり得るあらゆるシナリオを頭の中でイメージしておきます。これにより、体調や天候の変化が起こった際に対応できるだけでなく、この先に待ち受けている苦しい時間への準備をすることができるのです」と彼女は言います。
クレア・ギャラガーは、ウルトラレースを走るためのコツを、さらにもう3つ紹介してくれました。まず「ウルトラレースの数週間前に、私が出せる最高のスピードで約 25 km のレースを行い、自信をつけます」それから、レース中には「受容」というプロセスがあります。「夜を上手に走るためには、それを受け入れる必要があります。速度を落とし、カフェインを摂り、流れに乗ります。私はコーラを沢山飲みます!」そして最後に「故障を避けるため、鍼治療とマッサージを受けています。ギアやショッピングにお金を使うのであれば、そのいくらかを身体のケアや強化のために使ってもいいはずですよ」

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