『アサップ』を支点に設定して 250kg の荷重を確保する際の性能

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支点に設定した『アサップ』で 250kg のおもりの墜落を停止させるという、例外的な状況での試験結果です。この試験は、わずかな墜落も注意して避けなくてはならない、ひと2人を搬送する状況に相当します。

警告

  • • この技術情報を参照する前に、関連する製品の取扱説明書をよく読んでください。ここにある補足情報を理解するには、まず取扱説明書に掲載されている情報を読み、理解する必要があります
  • • ここで紹介する技術を身に付けるためには適切なトレーニングが必要です。ここで紹介する技術を実践する前に必ず、1人で安全に行う能力があることを上級者に確認してください
  • • ユーザーの活動に関連した技術例も紹介しています。ここに紹介されていない方法もあります

 

試験の設定

ディレクショナルアンカーあり

備考: システムにロープの弛みが生じるのを防ぐため、『アサップ』を操作するオペレーターを付けることを推奨します。



ディレクショナルアンカーなし

  


結果および使用上の注意

墜落距離を短くすることで、エネルギーアブソーバー『アサップソーバー アクセス』および『アブソービカ』 (L57) の衝撃吸収性能の限界を超えないようにすることが可能です。

これにより、この状況で『アサップ』を使用可能です。

常に注意してロープの弛みをとる必要があります。

250kg の荷重またはひと2人の場合、『アサップ』に必ずエネルギーアブソーバー『アサップソーバー アクセス』または『アブソービカ』 (L57) を併用してください。

この状況では『アサップ』を設定する向きに注意してください: 使用前にロックがかかる方向を確認してください。

ロープは『アサップ』の支点でディレクショナルアンカーを通ってなければなりません。
注意: 全ての設定について、『アサップ』のエネルギーアブソーバーが伸長するのに十分なクリアランスをとってください。

結果

備考: 試験はエネルギーアブソーバー『アブソービカ』 (L57) を使用して行いました。『アサップソーバー アクセス』の衝撃吸収力は、『アブソービカ』 (L57) より高いため、試験結果は『アサップソーバー アクセス』にも有効です (エネルギーアブソーバーが伸長する長さのみ異なり、支点にかかる衝撃荷重はどちらも 6kN を下回ります)

ディレクショナルアンカーに『オグザン』を使用した試験

『アブソービカ』 (L57) で『アサップ』を支点に設定して、『ベクター』 11mm (2016 年以前バージョン) を使用しておもりを 38cm 落下させる。

– おもりにかかった衝撃荷重の平均値: 7.1 kN

– 支点にかかった衝撃荷重の平均値: 5.3 kN

– 『アブソービカ』 (L57) の伸長の平均値: 45 cm

– ロープに損傷なく『アサップ』は引き続き操作可能


ディレクショナルアンカーにプーリー『レスキュー』を使用した比較試験

ディレクショナルアンカーにプーリーを使用することで摩擦が最小になります。

『アブソービカ』 (L57) で『アサップ』を支点に設定して、『ベクター』 11mm (2016 年以前バージョン) を使用

– おもりにかかった衝撃荷重: 6.18 kN

– 支点にかかった衝撃荷重: 5.5 kN

– 『アブソービカ』 (L57) の伸長: 46 cm

– ロープに損傷なく『アサップ』は引き続き操作可能


ディレクショナルアンカーなしの試験

『アブソービカ』 (L57) で『アサップ』を支点に設定して、『アクシス』 11mm を使用して支点から 2m の位置に吊り下げた 250kg のおもりを 20cm 落下させる。

– 支点にかかった衝撃荷重の平均値: 5.9 kN

– 『アブソービカ』 (L57) の伸長: 70 cm

– ロープに損傷なく『アサップ』は引き続き操作可能