傾斜面での『アサップ』の使用

logo_petzl

警告

  • 以下の補足情報を読む前に取扱説明書をよく読んでください
  • ここで紹介する技術を使用する前に、取扱説明書の内容を十分に理解する必要があります
  • これらの技術を身に付けるためには、トレーニングが必要です
  • これらの技術を自身で実践する前に、使用方法を熟知していて責任能力のある人に相談してください

傾斜面での『アサップ』の使用

傾斜面においても、『アサップ』はユーザーの動きに合わせてロープ上を両方向に移動するため便利です。傾斜のゆるい屋根や表面が滑りにくい場所では、ユーザーの滑落速度は遅くなります。このような場合、『アサップ』はロックせず、ユーザーの滑落に合わせて移動します。これは正常な動作です。滑落速度が上がると、器具が正常な状態の場合、ロックして墜落を止めます。

・斜度 30°の斜面でいくつかのテストを行いました。
2つの異なるタイプの斜面で、『アサップ』がロックして止まるまでの移動距離の平均値を計測しました。
表面が滑りにくく、低速度で滑落する状況では、ロックするまでの平均移動距離は 5 m でした。

・表面が滑りやすく、中速度で滑落する状況では、ロックするまでの平均移動距離は 3 m でした。
この数値はあくまでも参考情報です。斜面の状態や、斜度、滑落前のユーザーの位置、ロープの状態によって変化します。

ペツルは、緩傾斜面で作業しているユーザーから 5 m 未満の距離に危険な障害物がある場合には、障害物の手前でロープにストッパーノットを結ぶことを推奨します。

屋根の端の部分では、屋根から落ちて宙吊りになるよりも、屋根の上でノットで止められる方が安全です。

メモ:
– 滑落中にユーザーは『アサップ』をつかむことができます(この場合も『アサップ』のロックは機能します)。
器具をつかむことで、ユーザーは体勢を安定させることができ、またロックを作動させることもできます。

– 『アサップ ロック』を使用している場合、ロック機能を利用することにより滑落速度に関わらず器具がロックした状態を保つことができます。