スタティックロープでの『アサップ』の使用

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警告

  • • この技術情報を参照する前に、関連する製品の取扱説明書をよく読んでください。ここにある補足情報を理解するには、まず取扱説明書に掲載されている情報を読み、理解する必要があります
  • • ここで紹介する技術を身に付けるためには適切なトレーニングが必要です。ここで紹介する技術を実践する前に必ず、1人で安全に行う能力があることを上級者に確認してください
  • • ユーザーの活動に関連した技術例も紹介しています。ここに紹介されていない方法もあります

 
『アサップ』のシステムは、ANSI Z359.15 認証の 11 ~ 13 mm 径の『レイ』と同等のロープと、『アサップソーバー』 (20 および 40 cm、国際規格適合バージョン)、エネルギーアブソーバー『アサップソーバー アクセス』と併用可能です。

『アサップ』と使用するロープは、通常 EN 1891 規格に適合したセミスタティックロープ (50 ~ 150 kg の荷重での伸び率が 5 % 未満) です。

一方、北米のように、より伸び率の低いロープが一般的に使用されている国もあります (例: ANSI Z359.15 規格適合の 12 mm ロープ『レイ』は、400 kg の荷重で 3 % 未満の伸び率です)。

このように伸び率の低いロープで『アサップ』を使用することは、EN 12841 および EN 353-2 の適用範囲には含まれません。
『アサップ』 (国際規格適合バージョン) および『アサップ ロック』は、12 mm ロープ『レイ』、『アサップソーバー』 (20 および 40 cm、国際規格適合バージョン)、エネルギーアブソーバー『アサップソーバー アクセス』との併用により、ANSI Z359.15 規格に適合しています。

認証試験では、128 kg のおもりをエネルギーアブソーバーの長さ (コネクターを含む) の2倍の距離落下させる試験を行います。

そこで計測された衝撃荷重は約 4 kNです: 衝撃は本来、エネルギーアブソーバーによって吸収されるものです。ロープには衝撃を吸収する役割はほとんどありませんが、少なくとも 4 kNの荷重で引き裂かれない外皮を備えている必要があります。

『レイ』と同等のロープを使用しても試験結果は同じようになります。そのため、ペツルは11 ~ 13 mm 径のスタティックロープ、『アサップソーバー』 (20 および 40 cm、国際規格適合バージョン)、『アサップソーバー アクセス』と『アサップ』の併用を認めています。

注意:

– ペツルは市場にある全てのロープで試験を行ったわけではありません。4 kN 以下の荷重で外皮が裂けてしまうロープを使用すると危険な場合があります。ロープを使用する前に取扱説明書を確認してください。

– 使用する前に、『アサップ』とロープとの適合性を確認してください: 『アサップ』が適切に移動し、またロックすることを確認してください。

– 警告: ロープは一般的に経年劣化します。実際に墜落が起きた時にロープの状態が良くない (濡れている、凍っている、または汚れている等) 可能性があることも考慮しなければなりません。

レスキュー・救助者が付き添う下降

スタティックロープで『アサップ』を『アブソービカ』 (L57) およびエネルギーアブソーバー『アサップソーバーアクセス』と併用して、救助者と要救助者のバックアップとして使用する場合の最大許容荷重は 250 kg です。

これらのシステムで 250 kg のおもりを落下させた場合、計測される衝撃荷重は 6 kN 未満です。使用するロープは適切な強度を有している必要があります。(ペツルの試験ではペツルロープ、特に『アクシス』『パラレル』『ベクター』『レイ』を使用して検証しました)。

可能な限り、救助者と要救助者はそれぞれ別の『アサップ』を使用して下降してください。

「ロープレスキュー・救助者が付き添う下降」にあるその他の注意事項にも従ってください。