国や地域にかかわらず、救助隊の優先事項は、どのような状況においても可能な限り効果的な器具を持つことです。2020 年に発売されたペツルのセルフジャミングプーリー付下降器『マエストロ』は、まさにそのニーズに応えるものでした。今回追加される新しいプーリー『スピン』のラインナップは、テクニカルレスキューの活動をこれまで以上に容易にします。なぜこのプーリーが現場の強い味方になるのか、10 のポイントに絞ってご紹介します。

　ロープレスキュー、狭い空間での作業　

1. 新しいスイベル付高効率プーリー『スピン』は、シングルまたはダブルのバージョンがあり、複雑なホーリングシステム、テンションのかかったハイライン、または引き降ろしの際のディビエーション等で効果を発揮します。『スピン』のラインナップは３つのモデルで構成されています: 『スピン L1』『スピン L2』『スピン L1D』

2. トリプルアクションの可動サイドプレートにより、プーリーをアンカーに取り付けた状態で、グローブを着用したままでも素早く簡単に開けることができます。つまり、プーリーをアンカーに接続した状態でロープを取り付けることが可能なのです。さらに、可動サイドプレートがロックされていないと赤い警告表示が見え、またサイドプレートによりロープが保護されます。

3. シールドボールベアリングを内蔵した直径の大きい滑車により、95% という優れた効率 (『スピン L1D』は 93%) を実現しているため、引き上げ時にかかる労力を軽減するのに最適です。

4. 『スピン L1D』は、一方向にのみ回転する多面的な形状の滑車により、引き上げの際には高い効率を発揮し、広い摩擦面により、降下の際には高い制動力が得られます。

5. 『スピン L1D』は、高荷重の引き降ろしの際のディビエーションに使用することで、下降器『マエストロ』またはその他の器具と組み合わせることで、効果的なシステムの設定が可能です

6. 『スピン』のラインナップは全てにスイベルが搭載されており、荷重がかかった状態でもプーリーの向きを変えることができるため、作業が容易です

7. スイベルにはカラビナを３つまで、またロープやスリングも直接取り付けられるため、複雑なシステムや作業に対応します

8. 全てのモデルが直径 7 ～ 13 mm のロープに対応しており、汎用性に優れています

9. プーリーの最大使用荷重は 8 kN (『スピン L1D』は 6kN) で、破断強度は 36 kN です

10. 『スピン L1』『スピン L2』にはブラックバージョンもあります