2021年8月31日
ペツルでは『ジグザグ』『ジグザグ プラス』『ジヨン』使用時に、ロープが滑ってしまうという報告を複数件受けています。これらの報告を受け、滑りの原因となる2つの不具合を確認しました。そのため、滑りが生じる可能性について確認していただくため、お客様には以下に案内する製品の点検をお願いいたします。また、滑りが生じた場合の交換対応等につきましても以下でご案内いたします。
このお知らせの対象となる製品は次の通りです: 個別番号が18L 0000000 000 ~ 21G 0000000 000 の間に該当する以下の製品
・『ジグザグ』 (D022AA00)
・『ジグザグ プラス』 (D022BA00)
・『ジヨン』 (L22A 025, L22A 040, L22A 055)
※ 製品の通常の摩耗による滑りは対象外です
ペツルは、新品または使用を開始して間もない『ジグザグ』『ジグザグ プラス』『ジヨン』について、お客様より滑りを理由とした返品が複数あったことを受け、調査を開始しました。技術的な調査を行った結果、滑りの原因を特定することができました。製造のばらつきにより、『ジグザグ』『ジグザグ プラス』『ジヨン』のリリースレバーに2つの不具合が生じました:
・リリースレバーのスプリングが機能しない場合がある
・表面処理のばらつきによりリリースレバーの形状に個体差が生じる
『ジグザグ』『ジグザグ プラス』『ジヨン』のリリースレバー
製造のばらつきによって生じた不具合により、リリースレバーに早期摩耗が生じ、使用数ヶ月もしくは新品でも滑りが生じる場合があります。
この状況に対し、ペツルは3つの対応を行います:
1. 現行製品の販売を中止した上で、2021 年 11 月 1 日以降に改良された製品をお届けできることを目標に、問題解決に取り組みます
2. 『ジグザグ』『ジグザグ プラス』『ジヨン』について、以下に案内する点検をお願いいたします
3. 点検の結果不具合が認められた場合は、アフターサービス (交換) を行います
『ジグザグ』『ジグザグ プラス』『ジヨン』の点検ポイント
1. リリースレバーの点検
上部のリリースレバー (1) について、スプリングの状態 (戻り) を確認してください。また『ジグザグ』『ジグザグ プラス』については、下部のリリースレバー (2) の動きを確認してください。最低でも 10 回この確認を繰り返してください
リリースレバーに摩擦が生じず、自由に動くことを確認してください。
これらの点検の結果、不具合を確認した場合は製品の使用を直ちに中止し、お問い合わせフォームもしくはお電話(TEL:04-2969-1718 平日9:30~18:00)にて当社へご連絡ください。追って当社担当より折り返しご連絡いたします。リリースレバーの動きに問題がない場合、次の機能の確認に進んでください。
2. 機能の確認
『ジヨン』: シングルの設定で、地上レベルでランヤードに体重をあずけた時に滑らないことを確認してください。ダブル (U 字つり) の設定で、リリースレバーを押すことで、ロープがスムーズに流れること、またその流れをコントロールできることを確認してください。
『ジグザグ』『ジグザグ プラス』: お手持ちのロープ (対応ロープ径: 11.5 ~ 13 mm) で機能の確認を行ってください。
通常のシステム (ダブルロープの設定) にセットして、地上レベルで器具に体重をあずけてください。
通常のシステム (ダブルロープの設定) にセットした状態で体重をあずけた時に滑らないことを確認してください。リリースレバーを押すことで、ロープがスムーズに流れること、またその流れをコントロールできることを確認してください。
これらの点検の結果、不具合を確認した場合は製品の使用を直ちに中止し、お問い合わせフォームもしくはお電話(TEL:04-2969-1718 平日9:30~18:00)にて当社へご連絡ください。追って当社担当より折り返しご連絡いたします。
これらの点検の結果について疑問がある場合は、お問い合わせフォームもしくはお電話(TEL:04-2969-1718 平日9:30~18:00)にて当社へご連絡ください。
※ 以上の点検は、特定の点検ポイントに絞った点検であり、ペツルの PPE 点検方法に準じた詳細点検に代わるものではありません。 『ジグザグ』 『ジグザグ プラス』『ジヨン』の点検方法については、以下の資料をご参照ください:
FAQ
このお知らせの対象となるのはどの製品ですか?
どこで個別番号を確認できますか?
個別番号は製品に記載されています:
『ジグザグ』『ジグザグ プラス』の試験にはどのロープを使用すればよいですか?
お手持ちのロープ (対応ロープ径: 11.5 ~ 13 mm) で点検を行ってください。なお、この点検は、点検を行った特定のロープとの組み合わせに限り有効です。ロープを交換した場合、点検結果が異なる可能性があります (例: 直径が細いロープや新しいロープ)。ロープを交換するたびに、取扱説明書にもあるとおり、機能の確認を行ってください。
所有している製品はこのお知らせの対象ですが、滑りは生じませんでした。返品する必要はありますか?
お手持ちの製品について点検を実施した上で、滑りが生じない場合は、引き続き製品をご使用いただけます。ただし、毎回の使用前やロープを交換した時には、取扱説明書にもあるとおり、機能の確認を行ってください。
所有している製品がこのお知らせの対象で、滑りが生じます。どのように返品したら良いですか?
お問い合わせフォームもしくはお電話(TEL:04-2969-1718 平日9:30~18:00)にて当社へご連絡ください。
ご返送いただきましたら、製品の状態(滑りが製品の通常の摩耗によるものでないこと)を確認の上、改良版との交換させていただきます。
なお、返送費用は当社が負担します (着払いにてお送りください)。
所有している製品がこのお知らせの対象です。点検を行いましたが、滑りは生じませんでした。ですが、使用中に滑った経験があります。どうすればよいですか?
リリースレバーに欠陥があるため、特定の条件下での使用 (ロープの同じ箇所への繰り返しの荷重、『パンタン』のようなフットアッセンダーの使用や径の細いロープの使用) では、より顕著な、またはより頻繁な滑りが生じる可能性があります。
生じている滑りが現場での使用において許容できるものでしたら、引き続き製品をご使用いただけます。ただし、症状の進行には注意してください。もし許容できない場合は、お問い合わせフォームもしくはお電話(TEL:04-2969-1718 平日9:30~18:00)にて当社へご連絡ください。製品のご返送についてご案内させていただきます。
径の細いロープでは滑りはより顕著になりますか?
ペツル製ロープ『フロウ』のように径の細いロープでは、滑りは生じやすくなります。対応する直径の範囲内でより太いロープを使用すると、滑りを抑えることができます。使用前に必ずロープとの適合性の確認を行ってください。
所有している『ジグザグ』『ジグザグ プラス』はこのお知らせの対象ではありませんが、滑ります。どうすれば良いですか?
滑りやロックしにくい兆候があるのは、器具の摩耗に起因する可能性があります。ペツルの PPE 点検方法に準じた詳細点検を必ず行ってください。
このお知らせの対象製品によって負傷した事例はありますか?
現在までのところ、ペツル社に報告された負傷事例はありません。滑りによるご不便については、複数の報告を受けております。
所有している製品がこのお知らせの対象で、点検を行ったところ滑りが生じました。いつまでに返品したら良いですか?
お手持ちの製品の個別番号が 18L 0000000 000 ~ 21G 0000000 000 の間に該当し、この情報に基づいた点検で滑りが生じた場合、2022 年 12 月 31 日までに製品のご返送いただければ、この度の対応をさせていただきます。