ロープドラッグが生じた状態での墜落の検証

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これまでの試験 (「落下率と衝撃荷重 (理論)」「実際の墜落における衝撃荷重」) は支点が直線的に取られ、ほとんど摩擦の無い設定で行われました。クライミングジムではよく見られる状況ですが、自然の岩を登るシングルピッチやマルチピッチのクライミングではむしろ希です。そのため、ロープドラッグが生じた状態での墜落について、その影響を検証することは重要です。ペツルではいくつかの異なる設定で複数の墜落試験を実施しました。

警告

  • 以下の補足情報を読む前に取扱説明書をよく読んでください
  • ここで紹介する技術を使用する前に、取扱説明書の内容を十分に理解する必要があります
  • これらの技術を身に付けるためには、トレーニングが必要です
  • これらの技術を自身で実践する前に、使用方法を熟知していて責任能力のある人に相談してください

試験では、ロープドラッグのみに変更を加え、その他の要素は同じ状態を保っています。

ロープの流れ方の違いによりロープの長さが変わらないよう、ビレイヤーの立ち位置を調節しています。
影響をわかりやすくするため、過剰にロープドラッグが生じるようにしています。これほどの摩擦が生じることは、実際には希です。

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備考

• 著しいロープドラッグにより墜落のエネルギーがロープ全体に伝わりません。ロープの一部分でしか衝撃を吸収しないため、実際の落下率は高くなります

• 有効なロープの長さが短くなるため、墜落を止められた際にクライマーが感じる衝撃は大きくなります

• 墜落によってビレイヤーはあまり引かれないか、全く引かれなくなります: ビレイヤーの移動による墜落エネルギーの吸収は生じなくなります

• その結果として、クライマーと支点にかかる衝撃荷重はやや大きくなります

アドバイス

ロープの流れを予測したり、支点に長いスリングをセットしたりすることで、ロープドラッグは減少させることができます。

 

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