スキー滑降における懸垂下降のセット

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スキー滑降において、滑降できない箇所では懸垂下降が必要になることがあります。そういった場合、自然にあるものを利用して支点を作成する必要があります。

警告

  • • この技術情報を参照する前に、関連する製品の取扱説明書をよく読んでください。ここにある補足情報を理解するには、まず取扱説明書に掲載されている情報を読み、理解する必要があります
  • • ここで紹介する技術を身に付けるためには適切なトレーニングが必要です。ここで紹介する技術を実践する前に必ず、1人で安全に行う能力があることを上級者に確認してください
  • • ユーザーの活動に関連した技術例も紹介しています。ここに紹介されていない方法もあります

 

この動画では、2人の山岳ガイド、Vivian Bruchez と Jonathan “Doud’s” Charlet が彼らのやり方を実践しています。用いる技術は、支点にどのように (歩いてまたは滑って) 近づくか、下降する場所の傾斜、着地する場所の地形 (雪の斜面なのか岩なのか) など、状況に応じて異なる場合があります。支点の質を確認する、ロープ操作中に支点でセルフビレイをとる、懸垂下降時にバックアップをとるなどのマウンテニアリングにおける一般的な注意事項は、スキー滑降から下降に切り替える (ロープを結んでいない状態からロープを結んだ状態へ切り替える) 際にも必要です。


※動画の画面右下「CC」から日本語字幕を設定できます

下図はこの動画で用いられたノットです: 岩にスリングをダブルフィッシャーマンズノットでセット

この動画においてスキーヤーは、ロープの末端にノットを作らない判断をしています。ロープの末端にノットを作るのは、懸垂下降時に下降器がロープの末端を通り抜けてしまうのを防ぐための、基本的な安全対策です。しかしながら、他の安全対策と同様に、その意義については実際の状況に即して判断する必要があります。この場合、ロープの末端にノットを作ることで、クーロワールにある岩角やクラックにロープが引っかかるリスクが増加するため、ロープを回収する際により大きなリスクに晒される可能性があります。そのため、これら2つのリスクに対する最善の対策として、彼らは今回の技術を選んでいます。

フリクションヒッチによるバックアップを用いた懸垂下降

ムンターヒッチのセット

フリクションヒッチのセット