クレバスレスキュー:ホーリングシステムの選択

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クレバスにメンバーが落ちてしまった場合は、上にいる他のメンバーがホーリングシステムをセットして引き上げなければなりません。
その場の状況と要救助者の容態に合わせて適切なシステムを選択すれば、より効率よく引き上げることができます。ここで紹介する方法が全てではありません。他にも様々な方法があります。大事なことは、ミスなく実行するために自分が使う技術を正しく理解することです。

ダブルマリナーシステム

理論上の効率: 1/7
長所: 少ない装備で効率的なホーリングが可能。
短所: セットが複雑。十分なトレーニングと知識が必須。5 m のコードが必要。引くロープの距離が長い。
適した状況: 要救助者が動けない。エッジのフリクションが大きい。要救助者が重く、救助者が軽い。
警告:
アンカーと要救助者の間のロープは、衝撃荷重を避けるため、ホーリングをしている間は常に張った状態を維持しなければなりません。

1/2 システム

理論上の効率: 1/2
長所: 要救助者がホーリングの作業に参加できる。
短所: プーリーを要救助者に下ろす際に、ロープがクロスして詰まってしまうリスクがある。長いロープが必要。
適した状況: パーティーの人数が2人。ロープの途中でタイインし、フリーのロープがザックに入っている。
要救助者がホーリングの作業に参加できるが、(クレバスがオーバーハングしている、またはアックスを落としてしまった等の理由で)壁を使うことはできない。
警告:
アンカーと要救助者の間のロープは、衝撃荷重を避けるため、ホーリングをしている間は常に張った状態を維持しなければなりません。
要救助者が自分で動ける状態で、エッジを乗り越えようとする時等は、ロープがたるまないように注意しなければなりません。

シンプルプーリーシステム

理論上の効率: 1/3
長所: 装備は最少で済む。素早く簡単にセット可能。より効率的なシステムへの変更がしやすい。
短所: 効率は高くない。
適した状況: 要救助者が、壁を使ってホーリングを補助できる。要救助者が軽く、楽に引き上げることができる。