懸垂下降でロープを連結する際のノット

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懸垂下降のために2本のロープを連結する際、様々なノットが使用されています。これについては、多くの議論がなされており、人によってはどれを選んでいいかわからないかもしれません。そんな疑問に答えるため、本稿では主に使われる3つのノット (オーバーハンドノット、8の字結び、オーバーハンドノット+ストッパーノット) について、その長所と短所を論じます。

警告

  • • この技術情報を参照する前に、関連する製品の取扱説明書をよく読んでください。ここにある補足情報を理解するには、まず取扱説明書に掲載されている情報を読み、理解する必要があります
  • • ここで紹介する技術を身に付けるためには適切なトレーニングが必要です。ここで紹介する技術を実践する前に必ず、1人で安全に行う能力があることを上級者に確認してください
  • • ユーザーの活動に関連した技術例も紹介しています。ここに紹介されていない方法もあります

 
ここでは、それぞれのノットについて行われた一連の試験結果について、情報を提供します。

これらの試験は、ロープ『パソ ガイド 7.7 mm』2本を用いて行われました。

ロープの結び目は、ゆっくりとした速度(150 mm / 分)で締められています。それぞれの設定において、5つの試験が行われました。なお、結び目から末端にかけては、30 cm の長さを残しております。


正しく結ばれたが、十分に締められていないオーバーハンドノット

・2.5 ~ 4 kN で最初の反転が生じた

・平均 13 回の反転が生じた

・試験終了後に残っていた末端の長さ: 0 cm

・約 10 kN で解けた

正しく結ばれ、十分に締められたオーバーハンドノット

・4 ~ 7 kN で最初の反転が生じた

・平均 14 回の反転が生じた

・試験終了後に残っていた末端の長さ: 0 cm

・約 11 kN で解けた

長所:

・結びやすい

・それなりに解きやすい

・ロープ回収時に引っかかるリスクを低減できる


短所:

・ロープの直径が異なる場合は機能しません。直径が異なるロープ (『ピュア ライン』『ボルタ ガイド』) と連結した場合、十分に締められたノットでも、3 kN で反転し始めます